024 インド建築の旅(17)

聖なるガンガーと共に歩んできた街、ヴァラナシに到着。

ヴァラナシ到着

早速ガンガーに沿って散策することにした。

ガンガーの川辺にはガートと呼ばれる階段状をした場所(広場)が数多く連なって存在する。ガンガーの散策はガート巡りをすることと同義だろう。

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ガートでは宗教的に沐浴をする者も多いが、洗濯をする者や料理店の設備機材を洗う者、牛の水浴びをする者もいれば、風呂代わりに使う者、子供達の遊び場にもなっている。

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ガートを散策していると、ここがヴァラナシの生活では欠かす事の出来ない場所であり、生活の一部となっていることがよくわかる。いくつかのガートは火葬場を兼ねていて、インド中から日に数百の遺体が運ばれ、24時間365日焼かれ続けている。ガートの中でもマニカルニカーは、この辺りで一番大きな火葬場だという。火葬場付近は撮影厳禁。遺体を焼く薪が空高く積まれ、布に包まれてはいるものの、形からそれと分かる遺体がそこここに置いてある。とても興味深い光景だ。火葬場付近では、求めなくとも案内人が近づいてきて、遺体を焼くのにどのくらいの薪が必要なのか、火葬場を維持するのにどれだけ経費がかかっているかなど説明してくれ、そして寄付金を求められる。説明の中で、焼くのは罪を清める為であり、罪を犯していないとされる乳児や聖者などは焼かず、石を括り付けてそのままガンガーに沈められるのだという。

この街では、人々の生活の中に”人間の死”という現実と共にあり、受け入れられている。そしてそれは生きることを再考させられる光景でもあった。

小難しい説明より、身体で感じることなのかもしれない。

想像していた以上に壮絶な体験となった。

日が暮れるまでガート巡りは続いた。

この日最後のガートは、最も大きなガートの一つ、ダシャーシュワメード。ここでは夜になるとプージャーと呼ばれる礼拝の儀式が行われる。元々は宗教的な儀式なのだろう。しかし現在では観光客も多くなり一つのイベント的な様子も感じられる。ガンガーを横に暗闇に火を灯し、数人の聖者が舞い祈りを捧げる。人々の熱気と火と煙が幻想的な雰囲気を作り出す。

ガート010

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ガンガーは常に街の人々に寄添い包み込み、そしていつも変わらず静かに流れていく。

こうしてヴァラナシでの夜は更けて行った。

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