ヴァラナシの洗濯物干しはアートのようだ。
なんとも不思議な光景だ。お世辞にも清潔とは言えない環境の中、洗ったものは皺一つないくらいにきっちりと並べられている。ここのカオスを強く感じる事ができる光景の一つだろう。
数多くのガート散策し、その全てがガンガーと共にあるヴァラナシ。いよいよヴァラナシを後に、インド最終目的地であるコルカタへと向かう。
ガンガーを眺めながら 、祈りを捧げ、そしてヴァラナシに別れを告げた。
17:00にバラナシ駅仁到着。
18:00発、翌日7:00コルカタ着の列車を待つ。
ここでインドの鉄道事情の脅威を経験することになった。
構内案内板に遅延発生の案内が出ていた。
3時間の遅れだという。
21:00頃駅に到着するとのこと。
プラットフォームは到着寸前まで分からないのがインドの鉄道事情。
バラナシ駅は大きく、プラットフォームが20近くあるのに、一度遅延するとどのプラットフォームに到着するのか分からないのだ。
到着時刻も早くなったり遅くなったりその都度変わる。
しかたなくとりあえず、21:00まで待合室で待つ事にした。
・・・
・・・
20:00頃列車がさらに遅れているというアナウンスが流れる。
到着時刻は未定だという。
そこで駅の管制室に行き、状況を確認することに。
管制室はすべての運行状況を把握しているはず。
係員に尋ねると、到着時刻はやはり未定。
構内アナウンスは夜になるとなくなるといわれるが、その前にアナウンスはヒンディー語なのであっても私たちにはわからないのだが・・・
どのプラットフォームで待てば良いのかすらわからないという不安の中、とりあえず待つしかないので待合室に戻った。
待合室では、皆そこここで座ったり、横になったりして時間をつぶしている。電車来て去っていく人。何故だかずっと待っている人。ここに宿泊しているらしき人。様々な人がいる。
そこで、ふと思った。この中に私たちと同じ列車に乗る現地人がいるのではないか?
周りで同じように列車を待つ現地人の様子を観察しながら、待合室で同じチケットを持っている人がいないか聞いてまわった。
一人同じ列車のチケットを持つ現地人がいた。
話によるとまだ来ていないが、いつくるのかもわからないからひたすら待つしかないのだとか。
引き続き待合室で待つ事に。
・・・
・・・
幾度となく、列車が停まっては発車していく。
しかし乗る予定の列車は一向に来ない。
時間は刻々と過ぎて行き、24:00をまわった。
もしかすると、乗るはずの列車が既に行ってしまったのではないかと心配になる。
もう一度同じ電車を待っている人に聞くと、多分まだだという。
日も変わって、構内アナウンスもなくなり、ただただ待つ事しか出来ない。
3:00(27:00)をまわり、もう一度管制室に行ってみた。
係員の人数もあきらかに少ない。
夜中なのでそれもそのはずなのだが。
話しかけると、”いいから待て” の、その一点張り。
しぶしぶ、また待合室へ。
・・・・・
・・・・・
眠い。
列車は相変わらず、来ては発車していく。
それでも乗る予定の列車は来ない。
いつ来るか分からない列車をただただ待ち続ける。
・・・・・
・・・・・
6:00(30:00)夜も明け始めた頃、
同じチケットを持った現地人がどこかへ歩いていった。
皆疲れがたまっていた。散歩でもしにいったのだろう。
・・・
数分後、大慌てでその人が走って帰ってきた。
「急げ!!」
「置いて行かれるぞ!!」
??
その人は急いで荷物をまとめる。
「あそこに来てるヤツだぞ!もう出発する!」
今そこに停まっているのがまさにチケットの列車だという。
「こんな急に?!」
もうてんやわんやの中、疲れた身体で目一杯急ぐ。
発車の笛が鳴る。
閉まりかける扉に間一髪で手をかける。
間に合った。
何の情報も無い中で、12時間駅で待ち続けた結果、危うく乗り過ごすところだった。何の情報も無い中で案内もなく静かに到着し、そして何も言わずに出発していく。こんな状況では乗り過ごす人もたくさんいるのだろう。
なんとか無事、自分の席を見つけてようやく一息つく。
席に着くとあっという間に眠りに落ちた。
結局コルカタに着いたのは日をまたいだ25:23。
最終的にコルカタ到着はおおよそ19時間遅れた。
夜のコルカタ駅は人はいるけれど、動いている人が少ない。
インド第三の都市コルカタ。夜の駅はこんな感じなのだ。
夜遅いため他の交通手段が無い事をいいことに、タクシーの割増し度(ぼったくり度)は容赦ない。交渉するエネルギーも湧いて来ず、駅で見つけたタクシーで宿へ。
宿で就寝したのは4:00頃だっただろうか。さすがに疲れたよ。