018 インド建築の旅(13)

アグラフォートは1983年に世界遺産に登録された。

真っ赤な赤砂岩で造られた城壁が2.5kmも続く。

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守られた城壁内には3つの宮殿、2つのモスク、庭園が今も残っている。

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アグラフォートは1573年に完成した。

城内の宮殿では赤砂岩に混じり、白大理石も多用されていて、80年後に完成する総大理石のタージマハルとの建築様式の歴史が感じられる。

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陰影が美しい列柱空間を楽しみながら広大な敷地を散策する。

すると城壁の向こうにタージマハルが見える場所が。

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楽しみにしていた場所が近くに見え、気持ちも自然と高ぶる。

ということで、アグラフォートからタージマハルへと向かう。

距離も近いのですぐに到着。

入り口でチケットを購入し、持ち物と全身のセキュリティチェックを厳重に受けてから敷地に足を踏み入れる。タージマハルのチケットは外国人は750Rs/人(2013年為替で約1300円)。現地人は20Rs/人。この価格差は興味深い。現地物価を考えると、かなり高い設定だと言える。一応、外国人には500mlのお水と靴カバーが支給されるおまけが付いている。

そんなチケット事情はさておき、夕刻の時間も近づいてきているので足早に歩を進める。

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ここが入り口の門。

門をくぐると

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この景色が目に飛び込んでくる。

圧巻の光景に発する言葉もない。

ゆっくり少しずつ歩きながら近づいていく。

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こんなに空間の力に言葉を失ったのは何時ぶりだろうか。

タージマハルは1辺57mの正方形を面取りした形を基本とし、4面完全に同じファサードを纏う、厳粛緻密を極めた墓廟建築だ。

ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが1631年に死去した愛妃ムムターズ・マハルのために建設した世界一美しいと評される、1983年登録の世界遺産。

常時2万人の職人が22年の歳月と、天文学的な費用をかけて建設された総大理石の圧倒的なヴォリュームは中央屋根高さで58mを超える。

012-05 Taji08白大理石の表層を彩る繊細な装飾は、異なる色の大理石を削り埋め込みなされている。

一つ一つ細かな手仕事の積み重ねであり、凄まじいエネルギーをそこかしこから感じる。

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墓廟に入るには靴を脱ぐか靴カバーをつける。

いつもこういう時は裸足なのだが、今回は靴カバーをもらったので使う事に。

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内部中央には絶対的な存在感を漂わす、ムムターズの墓石がある。

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「人間に不可能はない」という錯覚すら起こさせる空間。

シャー・ジャハーンとムムターズの歴史も興味深く、知れば知る程にこの建築の意味を考えさせられる。

ゆっくり、ゆっくり、沈んでいく夕日と共に、しばらくタージマハルとの時間に想い浸っていた。

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