010 インド建築の旅(7)

アーメダバードがあるクジャラート州の夏は日中40℃を超え、乾燥する。猛暑と乾燥の中、人間が生命を維持するために重要なのが「水」だ。実際、インドについてから、ペットボトルで4リットル程度の水を常に持ち歩いていた。4リットルの水と聞くと多いように感じるが、二人で数時間ほど外を歩くだけで、それを飲んで消費してしまうほど、大量の汗をかく気温と乾燥なのだ。

地下水の汲み上げや、貯水装置として、この地方では古くよりたくさんの階段井戸が建設された。ただし「井戸」と聞いて普通に想像するあの井戸とは随分様子が違う。大きいものだと直径(四角形の場合は一辺)6m程、深さ30mの穴底に向けて階段が続く巨大地下構造物のことを指す。場合によっては華美な装飾が施され、あたかも地下宮殿のようなものもある。その階段井戸の中で保存状態が良く、最も美しい一つとされているのがルダ階段井戸だ。

アーメダバード中心部から20kmほど離れたところにそれはある。深さは30m以上で、6階建てのビルに匹敵する。

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階段を降りていくと、直接太陽光が降り注がず、地中より吸い上げた水分を含んだ壁面の気化熱によって、外気よりかなりひんやりする。

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空間は至るところに装飾が施され荘厳華麗そのもので、宗教的な儀式にも用いられた。当時から市民の憩いの場としても開放されていたと言われ、現在も井戸端会議をする姿がちらほら見られ、世間話に花を咲かせる楽しそうな風景がここにはあった。こんな厳かな雰囲気の中で、普通の世間話をするのはどんな気分なのだろうか。

名残惜しさを感じながら、オートリキシャに乗り込みルダ階段井戸を後にした。

中心街に戻った昼下がり、しばし露店市場散策。

インドではどこに行っても人だらけ。ましてや市場となればカメラを構えるのが難しいほどの混雑が続く。だが世界中どこに行っても市場は楽しい。人の活気に溢れ、新鮮な食材や風変わりな物品や小食品などがずらっと陳列され、見ているだけで元気になれる気がする。007-20

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露店の出店形態や空間構成の考察はさておき、旅の楽しみに食事は欠かせないだろう。インドの伝統的な食事 “ターリー” を求め、お店へと向かう。ターリーはインドでは定食のような感覚らしいが、庶民的なものからホテルで振る舞われる豪華なものまで様々。今日は名店と言われているらしいレストラン「Agashiye」へと向かう。

席に着くと、テーブルにセッティングされた大きなプレートに十数種類の料理が少しづつサーブされていく。おかわりも自由。色とりどりになったプレートを前に、気分も自然と高まる。インドの伝統的料理を一度に総なめするこのスタイルは旅行者にはオススメできる。

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ターリーを食してたっぷりと英気を養った後、次の目的地に移動するためアーメダバード駅へと向かう。

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次の目的地はピンクシティ「ジャイプル」だ。

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