2013.06.26 ラ・ショー・ド・フォンで迎える朝は晴れときどき曇り。
2009年、時計製造業の都市計画が残る街としてラ・ショー・ド・フォン(La Chaux-de-Fonds)は、隣町ル・ロックル(Le Locle)とともにユネスコ世界遺産に登録された。
そして20世紀の巨匠ル・コルビュジェはこの街で生まれ育った。
午前は時計の街を巡り、午後からコルビュジェ建築を見て回ることにする。
宿からすぐのところにある、トゥール・エスパシーテ(Tour Espacite)へ。
ここにツーリストインフォメーションがあり、地図や建築の場所などを確認する。
15階建ての建築で、最上階に登る事も可能。
街は奇麗にグリッド化され、すべての建物がきっちり南向きに建っていることが分かる。
照明がまだ普及していない時代、極めて繊細な作業が求められる時計工房に最大限光を取り入れるための都市計画。
トゥール・エスパシーテから徒歩すぐの所にある、時計と街の関係と歩みについてのショールーム(Espace de L’urbanisme Horloger)へ。時計製造業と都市の成り立ちについて、紹介してくれる場所。街が時計製造業と切っても切れない関係であることがよくわかる。
一通り街の歴史に目を通したところで、国際時計博物館(The International Museum of Horology)へ。あらゆるジャンル・時代の時計、4500点を超えるコレクションが展示されている。しかも全ての時計が現在も正確に時を刻み、動き続けているという。時計好きでなくても、時計に興味が涌いてくる。
想像以上に楽しく、予定より大幅に長居してしまった。
博物館から、いよいよ街の中を歩きながら近いところから順にコルビュジェの足跡を辿る。
まずはコルビュジエが学んだ装飾美術学校。まだまだ現役の学校で、内部は奇麗に改修されている。
コルビュジェの生家。
プレートが外壁に埋められているのが分かりやすい。確かに住んでいたんだと。
続いて、シネマ・スカラ(Cinema Scala)
映画館だが、コルビュジェが手がけて残っているのはファサードだけらしい。
シュウォブ邸(Villa Schwob)。
ガラスで創られた装飾窓が、印象的だった。
徐々に街中から丘の方へ登って行く。
グリッドに整備された街から外れ、緑豊かな別荘地のような雰囲気へと変わって行く。
コルビュジェの初期の住宅は、ある地域の中で近い所に固まって存在している。
最初に見つけたのはファレ邸(Villa Fallet)。
普通に住まわれているので、外観だけ。
続いてジャンヌレ邸(Villa Jeanneret)
ここは、パンフレットなどが置かれ、時間は限られるが一般公開されている。
白とブルーの配色や、トカゲ状の取手など、遊び心を感じる造り。
そして少し戻ったところに
ジャコメッティ邸(Villa Jacquemet)。
飼い猫なのか、目が合ってからずっとくっついてくる。
歩き疲れを癒してくれた。
ジャコメッティ邸と目と鼻の先にある、
ストッツァー邸(Villa Stotzer)。
一通り住宅群を見て、大凡一日でラショードフォンを満喫できた。
始めから知っていなければ、コルビュジェの設計だとは気づかないであろうキャリア初期の住宅群。
夜、地元のワインを呑みながら、ここから始まったのか・・としみじみ思った。