058 Europe(16)Venezia-SanVito-Milano

2013.06.15 ヴェネツィア三日目も快晴。

早々、駅へと向かうはずだったが、朝市を見つけてちょっと寄り道。

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アーティチョークが皮むきされた状態で大量に売られている様から、今イタリアにいることを普段の感覚で実感する。こんな感じで売られているんだな。

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マスケラ専門のお店も!

世界三大カーニヴァルとされる、ヴェネツィア・カーニヴァル(Carnevale di Venezia)。

年齢や性別、身分や貧富の差も関係なく、ある意味すべての無礼講が許される特別な祝いの時間を過ごすのに必須のマスケラ。11世紀を起源とする歴史あるカーニヴァルで、2月に2週間ほど行われる。神秘的なマスケラを実際に見て、次ヴェネツィアに来るのは2月にしたいと思った。

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だいぶ寄り道が長くなってしまった中,駅到着。

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まずは、列車でカステル・フランコ・ヴェネト(Castel Franco Veneto)へ。

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13世紀に城壁と塔で囲まれた城下町が築かれ、今は交通の要所となっている町。

ここの町から出発するバスに乗って移動したいのだけれど、バス停はどこだろう。

城壁の周りや城下町で人とすれ違う度にバス停はどこかを聞きながら探すこと小一時間。

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ようやく、バス停発見。

駅から城下町を挟んで逆側にバス停はあった。

さて、切符はバスターミナルの横にあるBarで購入するシステムらしい。

Barの店員からサン・ヴィト(San Vito)への往復チケットを買って、時刻表を見ると次のバスがくるまでまた一時間ほど。

とりあえず、お昼を食べて時間つぶし。

i16_10 i16_11 i16_12パスタはどれも美味しいし、ヴェネツィアに比べて値段も格段に安い。

調子良く、アペロールスプリッツを2杯飲んで少しほろ酔い。

いい気分でバスに乗り込む。

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目的地最寄りのバス停、サン・ヴィトに到着。

ここから徒歩で移動。

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緑豊かな田舎道を行った先にそれはあった。

建築家カルロ・スカルパの代表作、ブリオン墓地(Tomba Brion)。

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この旅で訪れる最後のスカルパ作品となる。

ここに来るまでに、すでに6つの作品を見て廻り、このブログでも紹介してきているので、

もう写真を見ただけでスカルパの設計だとわかると思う。

スカルパはヴェネツィア出身だから、作品もおのずとこの辺りに多い。

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スカルパは日本文化にとても興味を持っていたとされ、禅などの精神的文化と共に、日本独特のスケール感覚である尺や寸の単位でデザインを構成しているとされる。

ブリオン墓地という名の通り、ブリオン夫妻のお墓がこれ。

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ここへ二度目の訪問する事はないかもしれないので、隅から隅まで脳に焼き付けて帰ろうと、血眼になってあちこちを見て、撮影して、測ってとしていたのだが、この水路にスケールを当てて採寸しようとしたところで、不覚にもスケールを水路の一番深いところに落すという失態。

旅で邪魔にならないよう、日本から用意してきた超コンパクトなスケールをここで紛失するわけにはいかない!

湧き出る水の中に、突っ込んで肩が浸り可能な限り腕を水路の底へ伸ばして、ヘドロ掃除をしているかの如く底を手探りで探す。

写真は腕を突っ込む前に悩んでる一コマ。

i16_50異物の感触が!

んん?

浮いてきたのは、ネズミの死骸。

!!

おったまげて、ひっくり返った。

同じように見学に来ていた他の人から好奇の眼差しが。。。

「諦めるな」と自分に言い聞かせて、もう一度トライ。

でも見つからず。

そこへ、管理人が現れ、事情を話したら、

掃除用道具を持ってきて、一緒に探してくれた!

有り難い。

そしてさすがは管理人。ものの1分で水路の底からスケールを見つけ出した。

重ね重ね御礼を言って感謝の意を伝えた。

ダンディな管理人は、にこっと笑って何も言わず去って行った。

格好良すぎる。

そして無事帰ってきたスケールを握りしめたのだった。

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墓地は、ブリオン夫妻のものだけではなく、一般墓地も併設されている。

ここはスカルパ集大成と言えるであろう作品。

何故ならブリオン墓地が完成したのは1978年であり、スカルパは同じく1978年の完成間近に不慮の転落事故で亡き人となった。そしてまたスカルパ本人が埋葬されている墓地でもある。

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本人の墓石をデザインしたのは、息子のトビア・スカルパ(Tobia Scarpa)。質素でありながらも、節々に父カルロの影響が感じられるデザイン。

右肩びしょ濡れのハプニングはあったものの、充実した時間はあっという間に過ぎて行った。

バス停まで戻り、次のバスの時刻が2時間後だという事を知り、散歩がてら周辺を歩き、見つけたスーパーマーケットを物色。

昼のほろ酔い気分が思い出され、アペロールの棚に自然と惹かれた。

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カステル・フランコ・ヴェネトへと戻り、列車でミラノへと向かった。

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ミラノ到着は深夜となり、宿を探して即就寝。

長い一日だった。

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