2013.06.13 ヴェローナで迎えた朝。
次の目的地ヴェネツィアへ向かう駅までの道のり、アレーナ(円形競技場)を見ながら歩いていると、看板を発見。アレーナは野外オペラが開かれることで有名なのだが、ちょうど明日からの開催のようだ。残念。
野外オペラを鑑賞したい衝動に後ろ髪を引かれつつ、ヴェネツィア行きの列車に乗り込んだ。
到着を予感させる車窓からの景色に、期待感が煽られる。
そして、水の都ヴェネツィア駅へと降り立った。駅前からまさに運河・運河・運河。
早速、荷物を預けて町を散策しながら目的地へ。
目的地は、安藤忠雄氏が設計した美術館、プンタ・デッラ・ドガーナ(Punta della Dogana)。
プンタ・デッラ・ドガーナは、17世紀に建てられた関税岬の税関建物を改修して創られた美術館。
アーチ状の大きな開口部がエントランスとなっている。
基本的に既存建物の躯体を活かしながら、建物の補強と新たな動線計画を挿入する手法が用いられている。これはスカルパがカステルベッキオ美術館で実践した手法と近い『055 Europe(13)Veronaに記述』。ただ、強く主張することなく、さりげなく随所に配置された鉄筋コンクリートの壁が安藤イズムを感じさせてくれる。
税関だった頃の重厚感を残しつつ、雰囲気を邪魔しない改修計画としてとても秀逸な美術館を堪能することができた。大満足。
関税岬なので、岬の先端に行くこともできる。
温暖化による海水面上昇で、この風景が失われつつあることをつい考えさせられてしまう。
美術館に隣接して、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会(Santa Maria della Salute)。
教会がコミュニティの場として脈々と機能している様は、どこも同じ。
その後は、フィレンツェでお世話になった友人がお勧めしてくれたBacari “Taverna del Campiello Remer”へ。夕方からの時間が、ここは安くて美味しいらしい。私たちは開店と同時に入店。
ここは正にアペリティーヴォスタイルのお店。アペリティーヴォスタイルとは、ワンドリンク注文すると簡単なおつまみが食べ放題という、イタリアでは定番のスタイル。モヒートとピーチのカクテルを注文して、席に着いた。イケメンバーテンダーがあまりに丁寧にドリンクを作ってくれるので、つい見入ってしまった。出来上がったカクテルは秀逸。気がつくと、店の中はお客さんでいっぱいに。ほろ酔い気分で夜更けの街を楽しむ至福の一時だった。
素敵なお店を紹介くれた友人に感謝。