048 Europe(8)Riola-Modena-Firenze

2013.06.07 バーリからフィレンツェへと向かう前に、二箇所に寄り道。

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AM6:00 ボローニャで乗り換えて、リオラ・ディ・ヴェガート(Riola di vergato)へ。

そして7:30 Riola駅到着。

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リオラ・ディ・ヴェガートは、都会ボローニャから南西に35Km程のところにある、自然に囲まれた小さな山里村。

駅は無人。のどかな風景が広がっている。

そんな大自然の中、リオーラ駅からも見えるくらい近くに目的地はあった。フィンランドの建築家アルヴァ・アアルトがイタリアに残した唯一の教会、リオラ教区教会(Chiesa di Santa Maria Assunta)だ。駅前で唯一、一軒だけあった地元の人たちのためのパン屋&カフェが一で、いつものように腹ごしらえして準備万端。

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工事年が1975-78年、アアルトの没年が1976年なので、この教会はアアルト最晩年の作品の一つと言える。アアルトは1952年に建築家エリッサ・マキニエミと再婚していて、死後は妻エリッサが仕事を引き継いだ。

鐘楼が聳える広場から見たファサードは、空間の断面をそのまま表現していて、北側に向け段上に設置された横長のハイサイドライトが外観の特徴。

鐘楼と教会建築の間に長い回廊があり、その突き当たりに入り口がある。

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教会内部は、6つの非対称鉄筋コンクリート製の構造体が存在感を放つ空間。

北向きのハイサイドライトからは、安定した優しい光が差し込み、白を基調とした内部はとても明るい。外壁は石貼り、床はテラコッタ、基壇は大理石基調、家具と建具は木造の造作で取手などの金物は真鍮と思われ、至る所にアアルトデザインを読み取る事ができる。

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西欧人の体格に対して、建具の高さはかなり抑え目で、「茶室の躙り口」は大げさかもしれないが、通り抜ける事で一旦気持ちをリセットするような印象がある。

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軒先の先まで、アアルト晩年の作品だけあって、蓄積された豊富な経験値を元に、軒先の先の先まで徹底したスタディを行った形跡がそこここにあった。巨匠と呼ばれる建築家の作品は、見るだけで大変勉強になる。

リオラ教区教会を見学した後は、またリオラ駅から鉄道に揺られて次の町、モデナ(Modena)へ。

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モデナは、自動車会社フェラーリの創設者エンツォ・フェラーリが生まれた町であり、エンツォの生家がある場所。目的地はもちろん、2013年に竣工した、チェコ出身の建築家ヤン・カプリツキー設計のエンツォ・フェラーリ・ミュージアム(Enzo Ferrari Museum)だ。

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エンツォの実際の生家を本人の生い立ちを紹介するミュージアムへ改修すると同時に、隣にこれまでの会社の軌跡と主な生産車を展示するのために新設した建築を一体的に計画したもの。

生家を包むようなイメージで新たに展示空間は考えられている。

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生家の中を、ぐるっと一周しながら彼の人生の軌跡を順を追って追体験できるよう展示が工夫され、非常に興味をそそられる。現在築かれている地位や繁栄は、波瀾万丈の人生の中、幾度となく立ち塞がる困難を乗り越え続けた結果であることがよくよく理解出来た。今まであまり知らなかったのが恥ずかしい。フェラーリに憧れを抱く人にとっては夢の国のような場所だと思った。

フェラーリのエンブレムの変遷を時系列に展示していたもの。好きな人は当たり前のように知っている事だろうけれど、同じ「跳ね馬」をベースに少しずつ変わって来ている。見入ってしまった。これさえあれば、エンブレムを見れば大凡の製造年がわかるようになる?!?!

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さて、寄り道もそろそろ時間切れ。

モデナを後にして、フィレンツェ(Firenze)へと急いだ。

フィレンツェ滞在期間中、ずっと友人宅にお世話になることに。フィレンツェの夜は毎晩語り合いと、飲み明かしの日々となった。

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友人宅のテラスからの景色を一枚。このテラスでみんな集まって飲んだプロセッコは最高の思い出となった。

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