2013.06.09 フィレンツェ三日目の始まりは朝早かった。
家から徒歩一分、バス停のある広場。朝早くからパン屋だけは開いていて、そこで買ったパンをほうばりながら、バスが来るのを待った。
フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅からトレニタリアに乗ってピサ(Pisa)へと向かった。
ピサの街はとても小さい。
ピサセントラル駅から歩いてすぐ、目的地のピサの斜塔(Torre pendente di Pisa)へと到着。
実際に見た目にこれほど傾いている建物を見たのは初めて。データ上では約4°の傾きとのこと。荷重管理や、通路幅が狭いことなどから、厳しい入塔制限がかけられているので、チケットが売り切れになってしまう事もあるらしい。塔内グラウンドフロアには、垂直に建てられたポールが設置されていて、どれだけ傾いているか比較してみることできとても分かりやすい。ポールを囲んで、ガイドの説明を聞いた後、296段の階段を歩いて上がって行く。
最上階の展望フロアから、ピサの街を一望できる。屋根の色が少しフィレンツェよりもくすんで見えるのは雨のせいだけだろうか。街が小さいこともあって、街と緑の境界も奇麗に確認でき、ピサ全景の雰囲気を楽しめた。
ということだったけれど、その後ピサの街歩きもそこそこに、またトレニタリアに乗ってエンポリ(Empoli)経由でシエナ(Siena)へと向かった。
トスカーナ州の古都シエナに到着。
街全体が歴史地区として世界遺産登録されているだけあって、駅前から中世の風情がどことなく漂う。
城壁の外側にある駅から、城壁を通り抜け街の中心を目指した。
14世紀の街並が色濃く残る路地を歩く事約2km。世界一美しいと形容されるカンポ広場(Plazza del Campo)が目の前に。独特の扇型をした傾斜広場は、カフェや市庁舎に囲まれ憩いの場としてもとても親しまれているよう。お店の人に聞くと、ちょうど雨の日だという事もあって、この日は人は少ない方だと言う。
ヘリンボーン式にひとつひとつ丁寧に並べられた素焼きのレンガが広場を埋め尽くし、ぶらぶら歩くだけで感じるものがあった。写真では伝わらない雰囲気がここにはあったと思っている。
カンポ広場からほど近く、シエナのドゥオーモ(Duomo di Siena)と共に、日が暮れる頃まで中世の雰囲気に浸りながら街歩きに勤しんだ。
シエナで夕食を済ませ、夜も更けた頃にフィレンツェへと戻ったが、家への最終バスに間に合わず。タクシーで帰る事になるので、どうせならということでバス停そばで一日の締めのモレッティビール(Birra Moretti)を一本。